自然

ベニシアさんの庭をたずねて

こんにちは。
大型連休後半から、5月らしい晴天が続きますね。先日は幸運にも京都の「大原の里」にお住まいのベニシア・スタンリー・スミス(Venetia Stanley-Smithさんの美しい庭を訪ねる機会に恵まれました。

ベニシアさんは英国出身のハーブ研究家であり、英会話学校も経営されています。また各地での講演会やTV番組「猫のしっぽ カエルの手」にも出演。大きな書店の園芸コーナーの本棚では、ベニシアさんの著書と出合うことが出来ます。その多くは夫の山岳写真家の梶山正さんによる美しい写真入りです。機会があればぜひ手に取ってみてください。

以下の写真は、僕の撮影した写真です。

下の写真は裏庭のあたり。冬の暖炉の使う「薪」が積まれていますが、薪を収納する木製ラックの素朴さと緑の木々の落ち着いた静けさに、英国アンティーク風のガーデンチェアが対比しておしゃれなアクセントになっています。

古い民家に手を入れた趣のある建物に沿って庭があります。シダ類があちこちに生えているナチュラルガーデンは、長い月日の積み重ねとベニシアさんの情熱が合わさった「特別な何か」を感じます。

下の写真右に細かいふわふわとした葉っぱの「フェンネル」が見えますね。

案内を英会話学校のスタッフの方やフラワーデザイナーの辻典子さんに一昨年は台風の影響で庭に被害が出たことや、ベニシアさんの近況、リース作りの話を交えながら楽しくしていただきました。

当日は、爽やかな風が庭に吹き込む心地よい晴天。植物だけで無く昆虫も元気に活動をしています。一緒に行った仲間が「カメムシ」を踏んでしまいましたが(笑)糸トンボがそっと葉の上でやすんでいる姿はいいですね。

さて、ベニシアさんについて簡単に触れておきます。1950年にイギリスの貴族階級に生まれ裕福な少女時代を過ごします。しかし19歳の時、貴族社会の在り方に反発して母国を離れ、バックパッカーとしてインドを旅されました。その後、船で日本に渡られて、同じようにインドやネパールを旅した経験のある、梶山正さんと出会います。

梶山さんは、8か月のインド放浪の旅から帰国後すぐに、京都の学生アパートで「インドカレー屋 DiDi」をはじめられて、ベニシアさんはそこのお客さんだったようです。その後2人は結婚。96年にいまの京都・大原の古民家に移住されます。日本語はとても上手ですし、調子が乗れば「こてこての関西弁」も飛び出します(笑)

美しい庭を散策を楽しんだあと、家の中にお邪魔してベニシアさんと挨拶。テーブルを囲んで談笑タイムとなりました。ベニシアさんは90%以上英語で話されましたので、聴き取りに必死です(汗)美味しいローズヒップティーを2杯頂いて、30分以上お話したように思います。

「日本に来た若い頃に日本の北の方を旅をしていて、お寺を訪ねてそこのお坊さんに「インドと似ていますね」と自分の意見を言ったら、怒られた。違うところがあるということと思うけど、とても大きな人でちょっと怖かった(笑)」と話されたエピソードが印象に残りました。

ベニシアさんの本はもちろん、梶山正さんの山のハイキング本、辻典子さんの野草リースの本、うちの店の本棚にありますので、よかったらご覧になって下さい。

DIDI(ディディ)はベンガル語で、お嬢さんとかお姉ちゃん などの意味です。なにか可愛い感じがしていいですね。

ちなみに「インドカレー屋 DIDI」は京都大学近くの百万遍付近に移転して今も営業は続いています。梶山さんの手作り感満載の居心地のいい店ですよ。