本 / カフェ店主の寄り道雑記

こんにちは。今回は、本の話題です。

昨年の12月末、京都丹波にある「園部町」という町の商店街をぶらりと歩いてみました。
地元に密着した電気店や鮮魚店のある、なだらかなカーブの古くからありそうな商店街を街はずれの方に歩いていくと、小さな「古書店」があって、前から気になっていたので訪れてみました。

そこは2階がシェアハウスになっていて、1階が書店になっています。明るすぎない照明と伝統的な日本の建築の美しさが漂う落ち着いた店内を見て回ったあと、持ってきた本をお渡しして、1冊購入して、昔ながらの灯油ストーブで温まりながらオーナーさんと楽しくお話させていただきました。

店内は大きくありませんが、そこには、しっかりと「本のある風景 」が存在しており、年の瀬にこの店に来れたことをちょっぴり嬉しく感じながら、帰路に着いたのですが、本に限らずお気に入りの「なにか」はそういう風に、さまざま情景や人の出会いも巻き込んで膨らんで、もっと好きになっていくのかも知れないですね。

さて、僕は、今の店をはじめる前に、ビジネス関係のセミナーに月に1度参加していました。その中で教材として使われていた次の本との出会いがありました。

7つの習慣

分厚い本ですね!読みすすめるにはちょっとの勇気と根性がいるかも?です(笑)(500ページあります)

 著者:スティーブン・R・コヴィー(米国)全世界で3000万部売れた自己啓発書で、20世紀に最も影響を与えたビジネス書の1位に輝いています。

かなり有名な本なので、書店で手に取って立ち読みはしたことがある、という方も多いのでは?と思います。

この「7つの習慣」を各自が次回のセミナーまでに読んでおく(指定のページ範囲20ページほど)、その感想を当日に他の受講生との間で交互シェアする、という目的で活用されています。

交互シェアは、読む(インプット)だけでなく伝える(アウトプット)する能力も高めるためにも取り入れられています。このセミナーは大阪の場合、「駅前第ビル」で開催されていますが、僕は一度間違えて第ビルに入ってしまってそれに気づかす大慌てした苦い経験があります(笑)

セミナーは21時ころ終了します。そして急ぎ足で駅に向かうのですが、見覚えのある古い喫茶店の前の道を通ると、その店内の片隅でコーヒー一杯で長い時間あーだこーだと言っていた若い頃の自分を思い出すときもあります。
「好きな作家って誰?」と聞くと、ほとんど間を置かずに彼女が「安部公房」と答えました。

安部公房


代表作は「砂の女」でしょうか。
20数か国語に翻訳されている日本文学の長編傑作です。ここでは内容は語りませんが、解説はドナルド・キーンさんが書かれています(昭和55年)

それからもう一冊「けものたちは故郷をめざす」これも良いですよ。

 

ドナルド・キーン(米国生まれ)
日本語を学び日本文化と日本文学の研究者。日本の関する著書多数。
東日本大震災が起こったことにより、日本で暮らす多くの外国人が震災以降に日本を出国したのとは逆に、被災地の懸命に生きる人々の姿に心を打たれて、日本国籍を取得された。

話はかわりますが、先日、京都の古くからあるタイプの「銭湯」に行きました。番台で銭を払って脱衣場に入ると、鏡とヘアードライヤーのある近くの棚に、色んな本が並べられて読んだり、買ったりできる「ブックフェア」という企画がされていたのは新鮮でしたね。

銭湯と本 うーん、なるほど。

感心しながら、なつかしい黄色い洗面器が用意された浴室に入り、熱い湯がたっぷり入った湯船に浸って横のタイル地の壁を見ると、企画されている出版社のさまざまな取り組みなどの紹介が、どの浴槽からでも見えるように掲示されていました。

今はこのブックフェアの期間は終わってしまったのですが、また開催されるのかな?と楽しみにしています。今の浴室内のタイルには、代わりに「台風21号の被害を受けた大阪の銭湯を応援しよう。」のポスターが掲示されています(ネットで支援できます)

水風呂には、おなじみの峰不二子のイラストと入浴マナーの注意書き(❤マーク付き 笑)がありますよ。