こんにちは。
暑くなってきましたね。今日は映画の話題です。
カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival) の最優秀賞パルム・ドールは、昨年の是枝裕和監督の「万引き家族」(日本)に続いて、家族をテーマにした「パラサイト」(韓国)に輝きました。これで2年連続アジア勢の受賞です。
韓国映画で初めて栄冠に輝いたこの映画は、2015年の「海にかかる霧」では実際に起こった「テチャン号事件」をプロヂューサーとして制作し米アカデミー賞外国語映画賞を受賞。翌年の「スノーピアサー」では、現代の格差社会の問題を鋭利に描いた近未来SFアクションを韓仏米合作として英語版で制作した、海外ではアジアのスピルバーグとも呼ばれいる韓国の気鋭ポン・ジュノ監督によるもので、世界中で拡大している格差社会の問題を、韓国の貧しい一家を通して風刺したブラックコメディです。主演は韓国の名優ソン・ガンホ。
韓国ではすでに公開5日で観客動員374万人超える大ヒットなっています。
日本での公開が楽しみですね。(日程は現在未定)
さて、今回のカンヌ映画祭はフランス映画の活躍も目立ちました。
その勢いがあるフランス映画から、今夏に公開決定の映画2本をご紹介したいと思います。
アマンダと僕 (AMANDA)(原題)
http://www.bitters.co.jp/amanda/
サマーフィーリング (Ce sentiment de l’été)(原題)
https://summerfeeling.net-broadway.com/
両作品とも監督は、ミカエル・アース (フランス 1975年~:Mikhaël Hers)
作品名・監督とも知らない方が多いかと思います。
アース監督は長編映画はこの2本を入れてもまだ3本だけの若手監督。「アマンダと僕」が東京国際映画祭グランプリを受賞して注目を集めてきたので、前作の「サマーフィーリング」も劇場公開になったようです。
先日、うちの店にお世話になった造園業さんがお見えになって「最近のハリウッド映画はどうも好きになれない」と話されていましたが、そんな感覚をお持ちの方にはこの2本のヨーロッパ映画はおすすめかな?と思います。逆にハリウッドのスケールの大きい映画が好きな方には、あっさりし過ぎて物足りなく感じるかも知れません。僕は個人的にヨーロッパの映画の映像は美しさ(それに重なる音楽と)に惹かれるの方なのでアース監督の映画を楽しみにしています。
現在公開中の「私の20世紀」(ハンガリー・西ドイツ合作)もまさにそのとおりの作品で ニューヨークタイムスに「フェデリコ・フェリーニ監督「8 1/2」(1963年)以来、最も素晴らしく美しいモノクロ映画」と評されました。監督はハンガリーのイルディコー・エニェディ。彼女のデビュー作が1990年以来、4Kレストア版でリバイバル上映されています。
この映画は、東欧では異色のアジア民族が建国したハンガリーに生まれた孤児の姉妹が生き別れて、その後の20世紀の急速な文明の発展の渦中で、詐欺師(ドーラ)と革命家(リリ)が再び接近していくストーリーですが、星や動物が語りかけるおとぎ話のようでもあり、好対照な2人の姉妹・電気の発明(光と影)・鏡・私たちのしてきた選択 が前衛的ともいえるタッチで描かれています。
京都は出町座でやっています(今週いっぱい7日まで)ちなみに出町座ですが確か、2階のシアターの一番後ろの席は座っても床に足がつきません。また地下のシアターの一番後ろの席は空調機器があるので立って移動するとき頭上注意だったよう記憶しています(笑)でも鑑賞には影響しません。いい映画館です。