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映画 / カフェ店主のシネマ雑記2

こんにちは。皆さんもうご存知かと思いますが、山田洋二監督が、22年ぶりに寅さんシリーズを制作中です。

男はつらいよ お帰り寅さん

1969年の1作目から数えて50作目で、特別リマスター作品(平成9年11月22日封切り)の前作より22年ぶり久々の作品となります。

「男はつらいよ」の新作が封切られるのは、僕のような「夫婦割引1100円」または「シルバー割引」で映画が見れる方には、映画を観に行く行かないは別にしても、かつては毎年おなじみの光景ではなかったでしょうか。

47作目が上映されたあと、阪神大震災が起こりました。次作48作目の中で被災した神戸・長田に立った寅さんこと「渥美清」さんは、翌年に亡くなられましたが、およそ25年の間にすごい数の作品が上映されたことになります!

今の若い方(1980年生まれ以降?)にとっては、記憶になくてピンとこないかも知れませんが、今で例えてみるなら、アニメの「ドラえもん」「プリキュア」や「仮面ライダー」のように頻繁に新作が公開されて、とても凄かったのです(笑)

そんな、「男はつらいよ」シリーズは、21世紀に入って私たちの日常から消えてしまいまいましたが、2001年生まれの子供たちが18歳になる今年、山田監督は撮影をすでに終えており、12月の公開を待つばかりです。下の写真は全国紙の夕刊に記載されたワンシーンです。

 

(左より)タコ社長の娘・桂あけみ、寅さんの妹・諏訪さくら(倍賞千恵子)、満男の娘・諏訪ユリ(桜田ひより)、寅次郎の幼友達・源公(佐藤蛾次郎)。

年月を感じますね。

今回に話では、満男(博とさくらの一人息子)が、会社員をやめて小説家になった!ということで盛り上がるシーンもあるようです。その満男は1969年の1作目で生まれた赤ちゃんですから、もう50歳になったのですね。

商店街の小さな映画館「出町座」

さて、京都市内に出町柳(京阪電車:出町柳駅下車)というところがありますが、そこで20世紀を代表する小説家 J・Dサリンジャー(Jerome David Salinger:米)の伝記映画「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」原題:Rebel in the Ryeが上映されています。

上映映画館は、大きなシネコンではなく、地下と2階に40席余りの客席しかない、小さくて可愛く、昔ながらの風情を残す出町桝形商店街にそっと溶け込むような「出町座」です。

多くの人は、小説「ライ麦畑でつかまえて」(The Catcher in the Rye)のタイトル名は知っていて、読んだ人は主人公のホールデン・コールフィールドのことはよく知っているでしょう。でも、著者のサリンジャーについてはどうでしょう?

この映画は、晩年は新聞などの取材を一切受けずに、人里離れた森の中で暮らし続けて生涯を終えた著者の半生が描かれています。

主演は、イギリス俳優:ニコラス・ホルト(上の写真の青年:マッドマックスシリーズなどに出演)子役から活躍のイギリスの俳優です。サリンジャーの恩師となるコロンビア大学のバーネット教授をアカデミー賞名優 ケビン・スペイシーがさすがの熱演で作品を引き締めています。

そして、映画後半からの登場になりますが、ルーシー・ボイントンは、大ヒット作「ボヘミアン・ラブソディ」(英ロックバンド:クイーンの伝記映画)でフレディにとって大切な女性のメアリーを演じて注目を集めていますが、この映画でもサリンジャーにとって大切な女性のひとり、クレアを演じています。

もっともふたりの出会いは、破竹の勢いで売れまくる「ライ麦畑でつかまえて」の記念パーティ会場の途中、ひとりベランダに外の空気を吸いに出たサリンジャーに面と向かって、クレアが作品を酷評することから始まりますが(笑)